ToTTi95Uのメモ帳

数学関係のメモ書き

【数学書は1日1時間】An Introduction to Chaotic Dynamical Systems §1.2 (8日目)

前書き

この記事はRobert L. Devaney著
「An Introduction to Chaotic Dynamical Systems Second Edition」

An Introduction To Chaotic Dynamical Systems, Second Edition (Addison-Wesley Studies in Nonlinearity)

An Introduction To Chaotic Dynamical Systems, Second Edition (Addison-Wesley Studies in Nonlinearity)

を1日1時間ほど読んですぐ、内容を記事に起こしたものである。これ以上詳しいことは1日目の前書きを見るべし。

§1.2の演習問題(続き)

 「An Introduction to Chaotic Dynamical Systems Second Edition」には演習問題の答えが付属していません。そのため、ここに載せた答案は間違っている可能性があります。間違い等に気づきましたらお知らせくださると助かります。

3

 整数$p$と$n$によってあらわされる$p/2^n$の形の有理数の集合は$\mathbb{R}$で稠密であることを証明せよ。

解答

 実数$x$の2進展開したものを$a_0.a_1a_2\cdots$で表すことにする。ただし、$a_0$は$x$の整数部分を2進展開したものを表す。このとき次の極限

$$\frac{a_0}{2^0}, \frac{a_0a_1}{2^1}, \frac{a_0a_1a_2}{2^2},\dots, \frac{a_0a_1\cdots a_n}{2^n},\dots$$ は$x$に収束する。この数列の各項は$p/2^n$の形を満たしているため、この形の有理数の集合は$\mathbb{R}$で稠密である。

 

7

 $B(x)$を改修して次を満たすような$C^\infty$級関数$C(x)$を構築せよ。

$$\begin{aligned}1.\ C(x) &= 0 &\text{if } x \leq 0 \\ 2.\ C(x)&=1 &\text{if } x \geq 1 \\ 3.\ C'(x) &> 0 &\text{if } 0<x<1\end{aligned}$$

解答

 条件1より、$C(x)=B(x)\cdot g(x)$と推測できる。条件2より、$x\geq 1$のとき$g(x)=1/B(x)$となる。このことを考慮すると、

$$C(x)=\frac{B(x)}{B(1-x)+B(x)}$$ となる。

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y=C(x)

 

8

 $C(x)$を改修して$C^\infty$級の隆起関数$D(x)$を区間$[a,b]$上で構築せよ。ただし、$D(x)$は次を満たす。ただし、$\alpha < a, b < \beta$である。

$$1.\ D(x) = 1 \text{\ \ \ for\ \ \ }a<x<b $$

$$ 2.\ D(x)=0 \text{\ \ \ for\ \ \ } x <\alpha\ \text{and\ } x > \beta$$

$$ 3.\ D'(x) \neq 0 \text{\ \ \ if\ \ \ }x \in (\alpha, a) \text{\ or\ } x \in (b,\beta)$$

解答

$$D(x) = \frac{B(x-\alpha)}{B(a-x)+B(x-\alpha)} - \frac{B(x-b)}{B(\beta-x)+B(x-b)}$$

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$\alpha=-1.5, a=1.0, b=2, \beta=3$のときの$D(x)$の概形
 

9

 隆起関数を使って$f'(a)=f'(b)=1$と$f(a)=c, f(b)=d$を満たす微分同相関数$f:[a,b]\to[c,d]$を構成せよ。

解答

 分かりませんでした。答案を思いついたら書きます。

今日の数学はここまで。明日から§1.3です。